最前線で新型コロナウィルスの対応をしている看護師は、特にスタンダードプリコーションという予防対策を忠実に守るということを徹底しています。これは、1996年にアメリカの医療機関にて確立された方針であり、これを厳守することによって感染症の拡大や院内でのクラスターの発生を予防することが可能です。
まず、この予防対策では、新型コロナウィルスの感染者のみならず、入院中の全ての患者に対して適応することで、絶対にクラスターを発生させないという強い意志のもとで徹底した管理を行います。特に、血液や体液、それに分泌物や排泄物はすべてが新型コロナウィルスの感染経路となると考えた上で取り扱う必要があるのです。そのため、看護師をはじめとする医療従事者は、手指衛生を徹底するとともに、ゴーグルや防護服などの個人防護具を活用します。
また、手指衛生はとても重要であり、適切なタイミングと順序を守ることにより、看護師がついうっかり感染してしまうリスクを軽減することにつながるのです。手指衛生のタイミングは以下のとおりです。看護師が感染者に直接触れる前、清潔操作の前、そして、排泄物や嘔吐物などにふれる前です。しかし、これだけでは不十分です。これらの措置を行った後に必ず手指衛生を徹底しなければ、感染拡大のもととなってしまいます。手指衛生は、感染者に直接触れた後のみならず、感染者の周辺の衣類や物品に触れた後にも徹底して行うことで感染症予防対策となるのです。